August 05, 2006

ふしぎ大陸 南極展2006(国立科学博物館)

『1956年11月に第1次南極観測隊が観測船「宗谷」で出航してから本年で50年目を迎えます。』(チラシより)

ということで,「日本南極観測50周年記念 ふしぎ大陸 南極展 2006」にいってきた.

内容が実に面白かった.実物の展示はそれほどでもなかったが,パネルや映像で紹介される南極観測(探検といってもいい)の歴史や事実が興味深い.

1912年にノルウェーのアムンゼン,イギリスのスコット,日本の白瀬が南極点をめざすところから始まり,1956年の第1次南極観測隊とタロ・ジロの物語,そして現在の観測隊の生活も紹介されている.あわせてオーロラや南極生きる生物,隕石,化石なども紹介されている.

第1次観測隊に関する展示がおもしろかった.観測隊の様子を伝える当時の朝日新聞がパネル展示されているのだが国民の南極観測隊にたいする関心の大きさが伝わってくる.南極は未知の世界であり,南極観測は冒険だった.時代的には朝鮮特需による経済復興により「もはや戦後ではない」と経済白書に書かれた年だ.日本人は南極というフロンティアを目指した.(翌年,ソ連は初の人工衛星スプートニクを打ち上げ,世界の関心は宇宙に向くことになる.)

本やビデオでじっくりと味わいたい内容であったが,博物館で一気に見てしまうというのも手軽で楽しい.

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屋外には実物の雪上車が展示されている.(写真 上)
以前に船の科学館で撮影した南極観測船「宗谷」.(写真 下)

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May 30, 2006

泉屋博古館

京都旅行の二日目(4/28.もう一ヶ月も前か!)は,まず泉屋博古館にいった.行ってみたいと思っていながら,なかなか機会がなかった博物館だ.
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泉屋博古館(http://www.sen-oku.or.jp/kyoto/exhibit.html)は住友家の青銅器コレクションを展示している博物館だ.「泉屋」は江戸時代の住友家の屋号,「博古館」は宗代に作られた青銅器の図録「博古図録」からとられている.

まず,常設の「中国青銅器と鏡鑑」をみた.展示室は螺旋状に配された1~4室を下から順に上って行くようになっている.展示品には番号が振ってあり,左から右に見ていくと,次は右から左に見ていくといった具合に展示順も良く考えられている.解説も過不足なく,ストレスなく見ていくことができた.

展示されているのは”い器”とよばれる商(殷)(BC1500-1000),周(BC1000-221)時代に宗廟に供えた青銅器である.楽器・酒器・食器・銅鏡という感じに分類され展示されている.

楽器は鐘(しょう)と呼ばれるベルのほかに青銅製の太鼓もある.鐘は銅鐸に良く似た形をしている.(日本につたわり銅鐸になったと容易に想像できる)この鐘だが,たたく場所が2通りあり音が違う.ベルの縁の中央部をたたくと低い音(隧音),中央部と稜線の中間部をたたくと高い音(鼓音)がでる.博物館の休憩室には実際にたたくことができる複製がある.また,ボタンを押すと鐘の音を再生する展示も休憩室の外に設置されている.

酒器には面白いものが多い.「じこう」という怪獣型の蓋をもつ器がかっこいいなと思っていたら,やはり人気者らしく,絵葉書になっていた.動物を組合わせるということ.動物のパワー,動物に神聖なものを見るという思想があったらしい.

蒸し器があった.煮る・焼くという調理法は土器の時代からあったと思うが,蒸すという調理法も3千年以上前に合ったというのは驚きだ.(自分は料理をしないのでイメージしにくいが,”蒸す”という発想は煮る・焼くから容易にでてくるものだろうか?)

青銅器の作り方だが,陶製の型を用いていた.(型の陶片も展示されていた.)ちなみに日本の銅鐸は砂型を用いたらしい.

特別展は「唐鏡」.シルクロードを感じた.隋・初唐の銅鏡では12支や四神(青龍,朱雀,白虎,玄武)が模様となっていたが,西方との交易によって,さんげい(獅子)・海獣(=外来の獣)・葡萄文などが現れる.

泉屋博古館には青銅器のほかにも中国絵画のコレクションがある.「安晩帖」(八大山人)はいつか見てみたい.

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April 05, 2006

日本のカメラ 今昔物語(朝霞市博物館)

朝霞市博物館で「日本のカメラ 今昔物語」という企画展が開催中だ.(5/7まで)

朝霞市博物館(市のホームページへのリンク)は駅から徒歩15分と立地にはあまり恵まれていない.
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展示品の多くは日本カメラ博物館の所蔵品だが,無料で見ることができる機会なのでカメラ好きの方は足を運んでみてもイイと思う.

この展示は2年前から企画を始めたそうで,なかなか気合が入っている.(買わなかったが)図録もイイできだ.

講演会「日本のカメラの歴史」を聴講した.講師は島 和也氏.コパル(シャッタ メーカー)を退社された方で日本カメラ博物館の運営委員をつとめられている.

講演の内容は,ほぼ雑談という感じ.聴講者も高齢のカメラおやじがほとんどだった.

話の中で,カメラの色とメッキの話があった.ニッケルメッキが1935年頃からクロームメッキに変わるそうだ.加工やメッキ,レンズのコートなど技術史をふまえて古いカメラをみると面白そうだ.


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March 17, 2006

東京理科大学近代科学資料館

東京理科大学近代科学資料館にいってきた.

先日聴講した産業技術史講座で紹介された資料館だ.飯田橋の駅から3分ほどのところにある.一見して明治風の趣のある建物だが,明治39年建築の校舎を復元したものだそうだ.

展示は数コーナーに分かれている.東京理科大の前身である東京物理学校の記念品コーナー,計算機の歴史コーナー,エジソン・コーナー,パソコンコーナー,体験コーナーという感じ.

東京物理学校の記念品の中には,菱田春草の兄,菱田為吉が作った多面体模型があった.菱田為吉は東京物理学校で講師を務める前に,多面体を数学的に研究しており,そのときに多面体の木製彫刻を作ったそうだ.工芸品とよべる美しさだ.

エジソン・コーナーの炭素電球や,パソコンコーナーの真空管やトランジスタの展示も楽しめた.

しかし,ここで絶賛しなければならないのは,計算機の歴史コーナーである.

そろばん以前の算具から,そろばん,計算尺,手動計算機,電気計算機,電子卓上計算機にいたる歴史をまるで商品の展示を見るように実物を見ながらたどることができる.

さて,個別に展示品の感想や薀蓄を書き並べてはきりがないので控えるが,どうしても触れておきたい機械がある.(当然,お手を触れないでください.と書かれていた.)それは,”微分解析機”と呼ばれているものだ.

展示されている微分解析機は車1台ぶんほどの面積を占める大きなもので,機械によって微分方程式を解く装置だ.70年前に作られ,実際に理科大の研究室で使われていたものだそうだ.

見ただけではどのような原理でどのように作動するのかわからないが,基本原理を解説したプリントが置いてある.

次回,微分解析機について記事を書きます.

3/18(土)のテレビ東京,WBS(ワールド・ビジネス・サテライト)土曜版で,『電卓の歴史』という特集が組まれ,近代科学資料館も紹介されるそうです.たしか23時位から放送.必見かな.


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March 16, 2006

わが国の電卓産業が歩んできた道(3)(国立科学博物館 産業技術史講座)

前回のつづき.

<電卓の誕生,技術・機能の進展(つづき)>

<プリント技術>

・インパクト式 : ラインプリンタ(重い)→軽量化(樹脂化),小型化→インクロール式
・ノンインパクト式 :
  1969 インクジェット JP-1 信州電機(セイコーエプソン) 遅く,故障も多かった
  1970 サーマル式 ポケトロニクス(キヤノン)

<入力方式>
1964(S39) 金属面スイッチ 汚れ・サビ,ダブルメーク(チャタリング)
1967(S42) リードスイッチ 安定・耐久性 コスト高
1972(S47) 導電ゴムシート 
 導電ゴムは電子レンジの電磁波漏れを対策するためにシリコンにカーボンを混ぜたものが最初.これにシャープが目をつけ,電卓に利用した.
1977(S52) 抵抗感圧方式 シート化

<電源>
~1970 AC電源,NiCd
1970 乾電池(単三×2~4本)
  ボタン型(酸化銀→アルカリ),コイン型(リチウム)
1976 太陽電池セル 当初はボタン型充電池と併用.

1964当時のトランジスタを使った電卓は消費電力が90Wあった.1981にはCMOS+太陽電池式になり消費電力は0.0002Wに.

<高機能化・多様化>
プログラム・関数機能

S42 数字式・カード式
S46 MPU実用化 ビジコン,インテル これにより関数機能をもった電卓が生まれた.
S47 関数電卓 FX-1(カシオ)
S49 ハンディタイプ関数電卓 建築現場などで使われていた.
S54 LCDドット表示 指数表示
S54 ストアード式プログラム機能付き
S55 BASIC シャープ
   ちょうどこの時期にシャープのポケコンを買いました.本当はNECのPC88が欲しかった.
S60 グラフィック表示

講座では経済・社会的効果について説明があったが,あまり興味がないのでここには書かない.

ところで,3月20日は電卓の日です.
1974年3月に,輸出1000万台を記念して制定されたらしい.

最後に,電卓に関する資料館を紹介してくれた.

東京理科大学近代科学資料館(神楽坂)
シャープ株式会社 歴史&技術ホール(天理)
日本文具資料館(台東区)

先週,東京理科大近代科学資料館に行ってきたので,次回はその感想など書きます.

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March 15, 2006

わが国の電卓産業が歩んできた道(2)(国立科学博物館 産業技術史講座)

前回に引き続き,日本電卓産業史をみていく.

<電卓の誕生,技術・機能の進展>

<電卓の誕生>
瀬尾氏は電卓誕生の年を1964年(昭和39)とした.この年に晴海で開かれた『第28回 東京ビジネスショウ』に4社から卓上型電子計算機が出品された.

早川製作所(シャープ):CS-10
キヤノン:キャーノーラ130
大井電気:アレフゼロ101
ソニー:ソバックスMD-5(試作機.S42年,ICC500として発売.)

当時の大卒初任給が19,100円.キャノーラ130は395,000円.

<演算素子>
1964(S39) ゲルマニウムトランジスタ(500~600個):
           熱に弱い.ハンダにひげが生えてショートする.(マイグレーション).
        ダイオード(1200~2000個)
        パラメトロン(大井電気)→S41撤退
1965(S40) シリコントランジスタ
1966(S41) バイポーラ型IC(20数個),トランジスタ(500個),ダイオード(1500個)
1967(S42) MOS-IC(100~50/60)
1969(S44) MOS-LSI(20/30~5/6)
1973(S48) CMOS-LSI(1チップ) シャープEL-801

<表示技術>
1964(S39) ブラウン管,光点式
~1971(S46) ニキシー管 バローズ社
1967(S42)~ 蛍光表示管(多桁管) 伊勢電子工業
1971(S46) LED
1973(S48) 液晶

液晶は1888年にライニッツアー(豪)が発見.長く実用化されなかった.

(つづく)

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March 13, 2006

わが国の電卓産業が歩んできた道(1)(国立科学博物館 産業技術史講座)

期末の忙しさも手伝ってblogから遠ざかっていたが,ぼちぼち更新していこうと思う.

先日,国立科学博物館の産業技術史講座「わが国の電卓産業が歩んできた道」を聴講してきた.ノートにメモしてきた内容を数回に分けて記事にしてみようと思う.

人に話すことはないのだが,電卓のコレクションを持っている.コレクションといっても30個程度だ.ぼくの電卓コレクションは米国の電卓(Hewlett Packard社,Texas Instruments社)がほとんどで,国産のものはあまりない.しかし,技術史・産業史として国産電卓産業には興味がある.

本講座の講師は国立科学博物館 産業技術史資料情報センターの瀬尾 悠紀雄氏.瀬尾さんは平成14年にカシオを退職された方で,平成17年度の非常勤職員として採用され,電卓産業について調査されたそうだ.

講座は2時間.1.電卓誕生前史,2.電卓の誕生,技術・機能の進展,3.経済・社会的な影響・効果の3章で電卓産業史を概観する.

以下,講座のメモのまとめ.

<1.電卓誕生前史>

<1.1 そろばん>
B.C.4000-3000頃 土砂そろばん(メソポタミヤ)
  線そろばん,溝そろばん(ギリシャ・ローマ)
B.C.1100 算木 筮竹(中国)

A.D.1617 ネーピアの算具
 16cに中国でそろばんが発明され,16c末に日本に伝わる.

<1.2 計算尺>
1620 エドモンド・ガンダーが計算尺を発明
1894(明27) 内務省の役人が日本に計算尺を持ち込む
1912(明45) ヘンミ計算尺 逸見治郎,歪を生じにくい孟宗竹を用いる.
 計算尺は電卓が普及するまで広く使われた.戦艦大和の砲弾の計算なども.

<1.3 手動式計算機>
1642 パスカリーヌ(仏) 歯車式考案 親父の家業で使うため.
1891 オドナー(スウェーデン) 手回し式考案
1903 矢頭良一国産初自動算盤(鴎外の日記に漱石が持ち歩いていたとの記載)
1923 虎印(タイガー)計算機
1936 タイガー自働計算機(電動化したもの.売れなかった)
1954 電磁計算機試作(樫尾製作所)
 機械式計算機の騒音をなくすために電磁式を試作したが,売れなかったらしい.
1957 電気式(リレー)計算機発売(カシオ計算機)
 机サイズで机の背面に342個のリレーが並ぶ.140kg.

(つづく.次回は電卓誕生編)


講座では触れられなかったが,電卓誕生前史にはアナログ・コンピュータも存在する.下記の本は写真も多く(説明は少ないが)とても面白い.著者はイームズのオフィス.


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January 02, 2006

博物館に初もうで(東京国立博物館)

謹賀新年!

今年もよろしくお願いします.
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東京国立博物館は新年1月2日から開館.ということで,「博物館に初もうで」に行ってきた.(去年といっしょだ.)

上野駅に着いたら雨が降り出した.今年は天気が悪いにもかかわらず,博物館には昨年以上の人がいた.

まず,新春イベントの獅子舞をエントランスホールでみた.獅子に頭を噛まれると縁起がイイということで,ぼくも頭を噛んでもらった.

さて,今年の新春特別展示は「犬と吉祥の美術」ということで干支の犬をモチーフにした作品と正月らしい吉祥をモチーフにした作品が2階の特別展示室で展示されている.

犬をモチーフにした作品の中では円山応挙の「朝顔狗子図杉戸」がかわいい.子犬が丸くてふかふかだ.そばに咲いている朝顔もイイ感じだ.これは東博の庭園にある応挙館の杉戸だ.応挙館は外からしか見たことがないので,今年は茶会に参加して中から見てやろうと思う.

吉祥モチーフでは伊藤若冲の「松樹・梅花・孤鶴図」がおもしろい.デフォルメされた丸い鶴だ.昨年の新春特別展示でみた若冲の「松梅郡鶏図屏風」の丸い顔の鶏を思い出す.この丸い鶴だが,尾羽がかわいい.フィギュアスケータの衣装のようにセクシーだ.

若冲の鶴の絵が常設展示にもある.こちらはリアルだ.白い絵具で羽を細かく描いている.隣には応挙の鶴の絵が掛かっている.応挙の「青松白鶴図」の鶴はリアルだが線の数は少なく,簡潔な印象だ.しかし,簡潔な線でリアルな生物を描くには形態の理解が必要なのだろう.応挙の鶴の絵の向かいには応挙の「写生帖 丁」が展示されている.これがイイ感じだ.鷹や水鳥,昆虫などがリアルにスケッチ・彩色されている.書き直しがない.下書きや反故にしたものがあるのだろうか.それともいきなり描けるのだろうか.以前に応挙が昆虫をスケッチした「写生帖」はみたことがあるのだが,今回の「写生帖」では鳥も描かれていたので気がついた.実物大で描かれている.大きな鷹は各部に分けて描かれ,昆虫は一枚の紙にたくさん描かれている.応挙は博物学者のようだ.


今日は博物館でblog「いづつやの文化記号」のいづつやさんに出会ったので,いっしょにまわらせてもらった.新年早々,楽しい時間を過ごすことができた.(獅子舞のご利益には即効性があるようだ!)
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November 24, 2005

プリンティング・オデッセイ2000-2005(印刷博物館)

開館5周年記念「プリンティング・オデッセイ2000-2005 印刷博物館コレクション展(前期)」をみてきた.
印刷博物館が所蔵する未公開資料150点が前期・後期に分けて展示される.

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前期には三大美書が展示されている.三大美書とは下記の三点.(三大美書は愛好家の間で定説になっているようだ.ちょっとググってみたが初出は分らなかった.)

「チョーサー著作集」(著者:ジェフリー・チョーサー,発行:ケルムスコット・プレス,発行年:1896)
「ダンテ著作集」(著者:ダンテ・アルギリエ,発行:アシェンデン・プレス,発行年:1909)
「欽定英訳聖書」(発行:ダヴズ・プレス,発行年:1903)

「チョーサー著作集」は木版により過剰なまでの装飾がなされている.真っ白な紙に黒々と印刷された文字や装飾,挿絵にはかすれひとつない.こだわりを持って贅沢に作られた本であることが感じられた.活字も独特で美しい. 「ダンテ著作集」の木版による挿絵も美しい印刷だ.厚く白い紙が美しい.おそらく白い紙は特別なものなのだと思う. 「欽定英訳聖書」も紙の白に文字の黒・赤が映える.三冊とも100年前の本とは思えないほど状態がいい.贅沢に作られ,大切に扱われてきたのだろう.

三大美書には何が書かれているのだろうか.
チョーサーは14世紀のイギリスの詩人.「カンタベリー物語」を残す.(読んでない!)
ダンテ(1265-1321)はイタリアの詩人.著書は「神曲」,「新生」など.
欽定とは君主の命による選定.欽定英訳聖書はジェームズ一世が47名の学者に英訳させた聖書.1611年公刊.近代イギリス散文の発達に多大の影響を与えた.(広辞苑)
「カンタベリー物語」はそのうち(気が向いたら)読んでみよう.

神保町の北沢書店に「チョーサー著作集」が売りに出ている.(

三大美書と一緒に三大美書を発行した出版社の書籍が展示されていた.開かれていたのは一部で,残りは立てられていた.充実したコレクションだ.

同じセクションにダリ作品もあった.「不死の秘法十番」(1973)は受話器が持ち手になったガラス張りのトランクがケースになった変わったもの.

戦時中のプロパガンダ誌やポスターなども興味深い.教科書なんかも面白かった.

印刷博物館のP&Pギャラリーでは「ドイツの最も美しい本展」が開かれている.美しい本を手にとって眺めることができる.(ドイツ語が読めないのが実に残念.)
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November 15, 2005

サイエンス・トンネル(日本科学未来館)

お台場にある日本科学未来館にいってきた.企画展の「サイエンス・トンネル」がお目当て.これも「日本におけるドイツ年」の企画だ.

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内容は,ドイツのマックスプランク研究所の研究成果をパネルやビデオで紹介したものだ.12のブース(トンネル)にそれぞれ宇宙や物質,生命などに関する研究成果が紹介されている.先端科学の紹介なので内容はかなり高度だ.しかし,会場には子供も多く,それなりに楽しんでいるように見えた.

簡単にとか,解りやすくということを考えていないのがいいのだと思う.これがドイツ的なのかもしれない.歯ごたえのあるパンを味わうように,先端の基礎科学を味わうことが出来た.(子供たちも同じような感想を持ったのではないかと思う.)友人は「素人に媚びていない」と展示を評価していた.

基礎科学は人類の知的好奇心の最前線だ.基礎科学を味わうためには知識や理解が必要で,それは容易ではない.しかしその価値は十分にあると思っている.

日本科学未来館について一言.きれいな博物館だ.ここの展示は(ほぼ)最先端だ.小惑星探査機「はやぶさ」のコーナーでは,当日の朝刊が報じたロボット「ミネルバ」の投下失敗の記事も展示されていた.

宇宙船内で(カップじゃないが)ヌードルを食べるカップヌードルのCMがあるが,その宇宙食ラーメン「スペース・ラム」も展示されていた.

結局,閉館間際までいたのだが,心身ともにクタクタ.ここは一日では回りきれないな.

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November 14, 2005

時計用小型工作機械の歴史(工業技術博物館)

”忙しい”という言葉は使いたくないのだが,気分が仕事モードに入っているので記事の更新に気が向かない.
しかし,週末にはそれなりに出歩いているので記録を残しておきたい.

11/12には日本工業大学内にある工業技術博物館に行ってきた.目的は第15回特別展「時計用小型工作機械の歴史」だ.時計用小型工作機械というと時計師が使う時計用の小型旋盤が思い浮かぶ.しかし,今回の展示は19世紀の時計師が使うような小型旋盤ではなく,20世紀に入って時計が量産されるようになった時代の機械だ.実際にセイコーの工場で使われていた機械を博物館が寄贈され今回の展示に至った.

量産するための機械といっても,オートメーションの時代よりは古く,職人のにおいのする機械ばかりで好印象だ.惜しむらくは,もう少し説明が欲しかった.いずれ博物館の常設展示となる場合には詳しい説明を期待したい.

工業技術博物館について書いておく.ここの常設展示は,工作機械が中心となっている.20世紀初頭の工場を再現した展示などは当時の産業のイメージをつかむうえでも参考になる.機械好き必見の博物館だ.そしてすばらしいのは,ほとんどの機械は”動く状態”で保存・展示されている.大きな博物館でもホコリのかぶった展示にガッカリすることがあるのに,ここは油の匂いも新鮮で,機械が生きている感じが伝わってくる.

博物館を経営する場合は集客が大事だが,こういう突き抜けたオーラを持つ博物館は人気がなくても(あるのかもしれないが・・・)応援したい.入場無料が申し訳ないほどだ.

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明治時代の蒸気機関車も動体保存されている.ちょうどメンテナンス中だった.

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October 07, 2005

オリンパス展(日本カメラ博物館)

日本カメラ博物館で開催中のオリンパス展にいってきた.

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オリンパスの歴史は1919年に発足した高千穂製作所に遡る.オリンパスとなったのは1921年だ.顕微鏡を作っていたがその技術を使いカメラを発売.そして1950年にはガストロカメラ(胃カメラ)を発表した.

会場にはとにかくたくさんのカメラが展示されていた.最初のカメラ「セミオリンパスI」は1931年に発売された.毎年,新機種が出たとすれば70機種以上あって当然だ.試作品なども展示されていた.

歴代のテレビCMを上映していた.これがおもしろい.オリンパスペンは,これを持ってるとモテますよっていう感じのオシャレな(昭和的な)アニメのCM.ペンF,OMシリーズも男らしいCMだ.最近はこういう男らしいCMは見ない気がするなあ.秒何コマ,スポット測光などセールスポイントもカメラ技術の歴史を見るようで面白い.

オリンパスのカメラの歴史をみると,やはりAF(オートフォーカス)でつまずいたんだなと思う.レンズ交換式のAF一眼レフの歴史がない.しかしデジタルで巻き返しをはかり現在に至るという感じだろうか.デジタル一眼ではキヤノン・ニコンのかげにかくれて,なんとなくマイナーなイメージがあったのだが,新機種や新しいレンズも発表されたのでこれからの発展を期待したい.

日本のカメラを紹介する常設展示などもあるので,カメラ好きな方には楽しめる博物館だと思います.


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October 06, 2005

”ガスタービン”って何だろう?<8回目>(国立科学博物館)

展示替えがあったので,9月30日に行ってきた.期末最後に年休消化だ.

<第7弾>「発電用ガスタービン実機、制御装置」
富永物産株式会社,日本ウッドワードガバナー株式会社
(9月21日~10月2日)

7月から3ヶ月にわたって楽しませてくれた「”ガスタービン”って何だろう?」もこれで最後の展示替え.専門外の人間が,日ごろ目にすることのないものをいろいろ見せてもらった.よく出来た企画だったと思う.展示替えの構成も見直してみると「”ガスタービン”って何だろう?」という問いに対するよい答えになっている.こういう大人向けの企画を是非また楽しみたいものだ.

で,ラストの展示は「発電用ガスタービン実機」.しかもロールスロイス!

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501-KHガスタービン

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「”ガスタービン”って何だろう?」についてはそのうちまとめの記事を書きたいと思っている.


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”ガスタービン”って何だろう?<7回目>(国立科学博物館)

展示替えがあったので,9月18日に行ってきた.

<第6弾>「ターボチャージャー」
ターボシステムズユナイテッド株式会社
(9月13日~9月19日)

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↑TPS48-F33.コジェネ発電用ディーゼルエンジンなどの500~3200kWエンジンに用いられる汎用過給機.

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↑RHF5過給機.乗用車の40~150kWエンジン用.

言われてみれば,自動車用のターボチャージャもガスタービンか.

ターボチャージャの最初の特許は1905年にスイスのアルフレッド・ビュヒが申請.そして1924年,ビュヒはブラウンボベリ社と共に過給機を完成させ,ディーゼルエンジンのパワーを35%アップさせた.今では過給機はディーゼルエンジンにはなくてはならない存在になっているそうだ.また商船のエンジンの過給機によるパワーアップは燃料の節約になり,CO2の削減=地球温暖化防止にもつながるそうだ.(ターボシステムズユナイテッド株式会社のパンフから要約)


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September 17, 2005

東芝130周年記念イベント(国立科学博物館)

「驚き!130年モノづくり物語」にいってきた.国立科学博物館で開催された東芝130周年記念イベントだ.
9月9日から11日は東芝デーということで,国立科学博物館は入場無料の太っ腹だ.

東芝創業者の田中久重が150年前につくった万年時計の複製品が展示の目玉.(オリジナルは科学博物館に常設展示されている.)そのほかに最新のディスプレーやハードディスク,ロボットなどが展示された.また常設展示エリアに日本初の電気洗濯機や電気冷蔵庫,炊飯器,ワープロなどが展示された.

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聞き分けロボット「アプリ・アルファ君」が面白かった.言葉による命令を認識して,照明やエアコンをON・OFFしたり,インターネットの記事を読んだりする.はずなのだが・・・ なかなか命令を認識しない.アテンドのお姉さんが小さいおともだちにアプリ君に話しかけさせるのだが,何回話しても認識しないこともあり,子供の声はもう泣きそうだ.しかも「暴走することがあります」ということ.音声認識って難しいんだろうなあ.子供には「ヨクキタナ」とタメ口.女性が話しかけると,「キレイダネ」と調子がいい.このアプリ君,たまに目が泳ぐ.もしかしたら意図的に聞こえないフリをしているかもしれない.

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自動式電気釜は1955年製.アプリ君の大先輩だ.

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電気洗濯機は1930年製.ほかにカラーテレビ(1960),電気冷蔵庫(1930)もあった.すべて日本初!

万年時計に関してはシンポジウム「万年時計復元・複製プロジェクト報告会」に参加して話をきいた.万年時計に関しては別の記事にしてエントリする予定.

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September 06, 2005

”ガスタービン”って何だろう?<6回目>(国立科学博物館)

展示替えがあったので,8月27日に行ってきた.

<第5弾>「未来の航空用ガスタービン:ATREXとフライングカー 」
独立行政法人宇宙航空研究開発機構
(8月23日~9月4日)

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ATREXは2段式スペースプレーンの1段目として開発されているエアーターボラムジェットエンジンだ.速度はマッハ6.秋田県の能代多目的実験場で67回以上の燃焼実験がおこなわれている.液体水素を燃料,空気を酸化剤として炭酸ガスジェットを発生する.

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フライングカーは垂直離着陸機となる自動車だ.動力はクラスターファンエンジン.直径30cm,重量3kgのクラスターファンエンジンで80kgfの推力を発生する.このエンジンを複数使って自動車を飛ばす.結構,かっこいいようにも思えるのがだ,ちょっと怖い.

写真は,フラッシュを焚いているのだが,レンズが広角すぎるのと,被写体に近づきすぎているのとが原因で周辺が暗くなっている.フラッシュは少し練習しないといかんな.


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August 30, 2005

”ガスタービン”って何だろう?<5回目>(国立科学博物館)

展示替えがあったので,8月16日に行ってきた.

<第4弾>「発電用ガスタービン、小型及び超小型ガスタービン」
(8月9日~8月22日)
三菱重工業株式会社
株式会社ソフィアプレシジョン
独立行政法人産業技術総合研究所
東京大学、他

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上の写真は三菱重工業の発電用ガスタービン501G型の1/15の模型だ.出力:230MW,コンバインド出力:350MW,効率58%となっている.

三菱重工業の発電用ガスタービンは二軸受支持方式一軸式ロータで,圧縮機翼にMCA(Maltiple Circular Arc),CDA(Controlled Diffusion Airfoil)を採用している.蒸気冷却式燃焼器や,タービン翼に一方向凝固翼,遮熱コーティングなどの先端冷却技術が使われている.最高水準の出力と効率を両立し,低NOx,低SOxなどの排出を最小化して環境にもやさしい.G型の最長稼働時間は4万時間.(このような信頼性に関する実績も売り文句になるようだ.ちなみに先にリリースされたF型の最長稼働時間は9万時間におよぶ.)

世界各国の発電所に導入されているが,日本では関西電力 姫路第一発電所(670MW),東北電力 東新潟火力発電所(1610MW),東京電力 千葉火力発電所(1440MW)に導入されている.

東京電力 千葉火力発電所の出力1440MWの内訳は,M701F型が4基,蒸気タービン(118MW)が4基,排ガスボイラ3基による.(M701F3型の定格出力が278MWなので,だいたい計算どおりだ.)

M701F型の仕様は,出力:278MW,コンバインド出力:416MW,コンバインド効率:59%,吸気流量:650kg/s,圧力比:17,回転数:3000rpm,圧縮機段数:17,燃焼器数:20,タービン段数:4.

ガスタービンの利用分野として火力発電施設は大きな割合を占めているようだ.火力発電に関しても調べてみる必要がある.

今回の展示では,上記の発電用ガスタービンに加えて,株式会社ソフィアプレシジョン製のターボジェットエンジン”Sophia J850”(下の写真),東北大 田中秀治助教授のMEMS(半導体技術応用のマイクロマシン)超小型タービン,IHI Aero Spaceの小型発電機なども展示されていた.小型ガスタービンは遠心式のものばかりだが,軸流式の小型ガスタービンがあれば見てみたいな.

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(上の写真のターボジェットエンジンは無人ヘリコプター用.重量:1.4kg,推力:8.5kgf/138,000rpm(←あってる?).)


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August 20, 2005

大和ミュージアム

夏休みを利用して,大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)にいってきた.

大和ミュージアムは今年4月に開館したばかりの博物館だが,すでに来館者は50万人を越えたそうである.修学旅行で訪れる団体もあるようだ.集客の目玉となっているのは,吹き抜けの中央ホールに据えられた1/10の戦艦大和の模型だ.

戦艦大和の全長は263mあるので,1/10の模型でも26.3mの大きさがある.20トンを超える船体は造船所でつくられ,進水式もおこなわれたそうだ.甲板は職人が手作業で張り込むなどのこだわりと,それに伴う苦労もあったそうだが,1/10 大和の製作については「戦艦大和 復元プロジェクト」(戸高一成 著 角川書店)という本がでている.

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実際に1/10 大和を見た印象は美しいの一言に尽きる.大和の特徴でもあるふっくらとした中央部から船首に向かってグッと細くなる船体.艦橋部(前檣楼)を中心に整然と高角砲や機銃のならぶ高密度な上部構造.そして威容を誇る1番,2番主砲塔.大和は巨大な主砲の反動でも安定するように,また機関や弾薬庫などを中央に集中し防御をかためるために,幅の広いふっくらとした船体になったという.理由があって,機能からうまれた形態なのだろうが,どっしりとして頼もしくもあり,また美しい.富士山をみてきれいだなあと感じるのに近い感覚だ.模型には近づいて見ることができる.歩きながら,立ち止まりながら眺めることができる.どこから見ても絵になる船だ.

良くも悪くもピッカピカの新品という感じの大和なので,模型からは戦争の生々しさを感じずにすんだのは救いだ.資料の展示では,大和の生い立ちから轟沈までを紹介している.大和に乗った人々の手紙や写真などもあり,大和が戦争の中で多くの人々とともにあったことを思い出させられる.海底探査艇による現在の大和に関する展示もあった.そして,引き上げられた数点の遺品の展示も.巨大で美しい大和が無残に壊れて今も海底に沈んでいると思うと,大和を作って壊した戦争のむなしさを感じる.

大和ミュージアムには1/10 大和のほかにも大型資料の展示がある.人間魚雷「回天」,特殊潜航艇「海龍」に零戦だ.人間魚雷「回天」や特殊潜航艇「海龍」は死を覚悟しなければとても乗ることなど出来ないようなシロモノだ.見ているだけで息苦しくなってくる.零戦は零式艦上戦闘機62型.細い機体が美しい.

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大和ミュージアムでは常設展示のほかに,企画展示「原爆と呉」も開催していた.広島市に近い呉市では,原爆投下後に救援救護を行い,残留放射能により被爆した方も多くいたようだ.当時を知る人の証言ビデオを流していた.原爆を落とされた日のことは,やはり忘れられないのだろう.はっきりと当時の様子を語っている.60年という月日はそれほど昔ではないのだという気がしてくる.

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大和ミュージアムをでて,観光マップに載っている「アレイからすこじま」にいった.小さな公園だが,ここからは海上自衛隊の潜水艦が観られる.そして,「歴史の見える丘」に移動.観光マップではたいして離れているように見えなかったので歩いて移動したのだが,結構な距離があった.途中,道を聞いた男性は地元の人だが「歴史の見える丘」は知らなかった.観光マップを見せると,「子規句碑」というバス停の名前でわかったようだ.「すぐそこじゃ」と教えてくれた.そこからは戦艦大和をつくった旧呉海軍工廠跡(現 石川島播磨重工業)(上の写真)を観ることができる.

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August 17, 2005

1/10 戦艦大和(@大和ミュージアム)

呉にある大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)に行ってきた.
1/10の戦艦大和の模型が展示されている.1/10でも26.3mの大きさだ.

<戦艦大和>
全長:263m
排水量:69100t
主砲:46センチ(9門) 副砲:15.5センチ(6門) 高角砲:12.7センチ(24門)
速力:27ノット

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昭和20年4月7日14時23分 沖縄特攻作戦中,米軍機の雷爆撃により轟沈.


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”ガスタービン”って何だろう?<4回目>(国立科学博物館)

展示替えがあったので,8月6日に行ってきた.

<第3弾>「発電用ガスタービン」
株式会社日立製作所 (8月2日~8月8日)

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展示は最新型コンバインドサイクル発電設備の模型だ.

コンバインドサイクルとは,ガスタービン発電で発生する廃熱を蒸気にして蒸気タービンをまわすことで発電効率を上げた設備であるらしい.(蒸気や温水を供給するコジェネレーション設備では効率は80%以上になるそうだ.)

模型の写真の左側がガスタービンで,右側が蒸気タービンだ.写真の左外にジェネレータがある.

ボタンを押すとタービンが回り,該当部位のランプが点く.解説も流れる.しかし,専門外の大人にもチット難しい内容だ.(子供向けの展示ではないなあ・・・) できればもうひと工夫ほしい.

今回は「H-25形/H-15形 日立高効率ガスタービン」というすばらしいパンフレットをもらった♪
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カッコイイ~♪

第1弾レポート(1回目2回目
第2弾レポート(拙blogの記事へのリンクです.)


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August 04, 2005

”ガスタービン”って何だろう?<3回目>(国立科学博物館)

展示替えがあったので,行ってきた.(友の会に入ったので常設は見放題だ.)

<第2弾>「日本初のジェットエンジンネ20と最新のジェットエンジン、発電用ガスタービン」
石川島播磨重工業株式会社 株式会社東芝 (7月20日~8月1日 )

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今回の目玉は「ネ20」!日本で最初に実用化されたジェットエンジンだ.

「ネ20」
8段軸流式
推力:490kgf,重量:474kg
回転数:11000rpm,外径:620mm

ネ20は「橘花」に搭載され,昭和20年8月7日(!)に木更津飛行場で初飛行を果たす.
しかし,2回目の飛行は失敗.そして終戦をむかえる.

技術者はどのような想いで,特攻機のエンジンとなるネ20を開発したのだろうか.

今回展示された「ネ20」は,米国に接収されノースロップ工業研究所に払い下げられたものを石川島播磨重工業株式会社が無料で永久貸与されているものだ.

耐久性の確保がむずかしく,特攻機の動力ということもあり「4時間もてばいい」という仕様だったらしい.

図面を見ると,無骨な圧縮機のタービンディスク,大きな燃焼室など,耐久性に考慮した設計になっているように見える.設計以上に製造での品質確保は大変だったろうと思う.

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上の写真は展示されていた最新ジェットエンジン(GE社のCF34-8C)の模型だ.
ネ20とは隔世の感あり.

(7/31)

第1弾レポート(1回目2回目)(拙blogの記事へのリンクです.)

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July 24, 2005

田宮模型の仕事(佐野美術館)

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静岡県三島市の佐野美術館に行ってきた.企画展は「田宮模型の仕事」!

車・バイク,戦車,船,飛行機とジャンルごとに新旧の模型がずらりと並ぶ.展示は完成品や部品を額装したもの,箱絵の原画など.

やはり,70年代の模型に懐かしさを感じる.

「1/24 トヨタ・セリカ」は”おもちゃのサンタ”で買った.小さい頃通っていたおもちゃ屋だ.今はもう無い.
「バギー・チャンプ」は初めて作ったラジコン.懐かしいなあ.
バイクも作った.「1/6 CB750」.
バイクの模型はリアルでイイ感じだ.
F1はJPSロータスが初体験.(これは会場に無かった.)
戦車では74式を作った.ラジコン戦車は高かったので憧れだった.当時の広告・カタログに出ていたであろうカットモデルが展示されていた.

プラモデルはイイ.大きな模型が作りたくなった.

プラスティックモデル以前の木製モデルや,ジオラマなども展示されていた.
後半はミニ四駆など.これはスルー.

チラシ(上図)の部品はオートバイの模型だ.「1/6 スズキGSX1100S カタナ」.刀剣コレクションを誇る佐野美術館での企画展にふさわしい選択だ.
(7/24)

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July 22, 2005

”ガスタービン”って何だろう?<2回目>(国立科学博物館)

科学博物館の「”ガスタービン”ってなんだろう?」を再訪した.(前回はこちら

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発電用ガスタービン(模型):(川崎重工業株式会社 所蔵)

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セラミックガスタービン:(川崎重工業株式会社 所蔵)

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FJR710ターボファンエンジン実機:(宇宙航空研究開発機構 所蔵)

やっぱ遠心式より軸流式だね.
(7/16)

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July 11, 2005

”ガスタービン”って何だろう?(国立科学博物館)

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国立科学博物館で,魅力的な展示がなされている.「”ガスタービン”って何だろう?」(7/5~10/2)だ.

2週間おきくらいに企業の展示が入れ替わる.期間中,常設展示されるのは次の2点.

FJR710ターボファンエンジン実機 (宇宙航空研究開発機構 所蔵)
高効率ガスタービン模型 (日本工業大学工業技術博物館 所蔵)

今回,観ることができたのは入替え展示の第1弾 (7月5日~7月19日)「発電用ガスタービン、セラミックガスタービン、スーパーマリンガスタービン 川崎重工業株式会社 」だ.川崎重工の展示は残念ながら実機ではなかったが,精巧なカットモデルでガスタービンの仕組みを味わうことが出来た.

やはり圧巻だったのは,実機展示の「FJR710ターボファンエンジン」だ.実機がカットモデルになっており,美しいタービンブレードを観ることができる.

そして,その開発過程を紹介する映像作品がおもしろい.

雹(ひょう)吸い込み試験や鳥吸い込み試験の様子が紹介されている.雹(ひょう)吸い込み試験ではジェットエンジンに直径5cmの氷を撃ち込む.高速度カメラでとらえた映像では,氷がタービンファンブレードで粉砕される様子をみることができる.飛行機が雹に突っ込んでも大丈夫そうだ.

そして鳥吸い込み試験.ニワトリを撃ち込む!高速度カメラによる映像がすごい.ニワトリがタービンファンブレードにぶちあたり,粉砕する.当然,ニワトリも綿菓子のようにぐるぐると・・・.

ちょっと長いビデオだが飽きさせない迫力があった.

(7/10)

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July 10, 2005

エピソード3展(東京国際フォーラム)

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正式には「アート オブ スターウォーズ エピソード3展」というらしい.東京国際フォーラムは第2会場で,目黒区美術館が第1会場だ.実物大のスターファイターが展示されるという東京国際フォーラムに行ってきた.

初めてスターウォーズのプロップを見たのは十数年前,池袋セゾン美術館での「ジョージ・ルーカス展」だ.そして昨年は京都と東京で「スターウォーズ展」を見ている.スターデストロイヤーやタイファイター,Yウイング,ファルコン号は何度か見ているのでおなじみの感がある.はじめて見たときは「本物だ!」と感動した.

今回の展示は,会場を分けたことも一因だと思うが,小粒な気がする.十分な満足感が得られなかった.数の迫力が無い.目黒区美術館の展示に期待したいが・・・.

旧三部作の頃には,SFX(Special effectsの略)と言って特殊効果がもてはやされていた.そしてSFXとは模型と人物の合成や,爆発の合成,特殊メイクなどのことであった.SFXをテーマにした企画展が行われたりもしたのだ.しかし最近はなんでもCGで作れるようになったので糸で吊るす模型が無いのだ.つまり展示する模型が無い.

必然的に役者と絡む実物大の模型や衣装・小道具の展示になる.それと,CGのデザインを決めるためのモックアップだ.モックアップは着色すらされていない.寂しいなあ.

展示の目玉はアナキンの乗る「ジェダイ・スターファイター」(実物大)だ.エピソード2でオビ=ワンの乗る「ジェダイ・スターファイター」(実物大)やタイファイター(模型)も展示されているので,スターファイターからタイファイターに至るデザインの違いを見比べることができる.

しかし,どう考えても,ぬるい.ぬるいぞ.

小林古径展をみた足でエピソード3展に行ったので,「小林古径がダース・ヴェイダーを描いたら・・・」なんて考えながら見ていた.R2D2とC-3POを曾我蕭白に,デス・スターを尾形光琳に,ジェダイのチャンバラ・シーンを岩佐又兵衛に,ヨーダを雪舟に,ジャバを若冲に,スター・デストロイヤーを大観に,ダース・モールを暁斎に,描かせてみたいなあ.そういう「スターウォーズ展」やってもらえないだろうか?

ちなみに映画は6/25の先々行上映を見たが,すばらしい作品だった.小細工なしの直球勝負.期待以上だった.
(7/9)

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May 02, 2005

プランタン=モレトゥス博物館展(印刷博物館)

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印刷博物館に行ってきた.「プランタン=モレトゥス博物館展 印刷革命がはじまった:グーテンベルクからプランタンへ」という展示をおこなっている.(7/24まで)

 印刷博物館に入ると”プロローグ展示ゾーン”がある.これは印刷(情報記録)の歴史を時代ごとの資料を並べて一望できるようにした展示だ.まず「ラスコーの壁画」や「死者の書」,「ハンムラビ法典」,「ロゼッタストーン」などの実物大レプリカがある.竹簡や金印もある.印刷技術が現れると,百万塔があり,当然,グーテンベルクの聖書がくる.銅版細密画もあり,北斎・写楽もあった.大量印刷の時代のポスター・雑誌を経て,デジタル時代に至る.CDやプリント基板,ICに印刷の技術が使われていることは常識かもしれないが,壁画からICに至る情報の歴史を”印刷”というキーワードでつないだのはスマートだ.この展示の完成度は高い.

”プロローグ展示”の最後にあった,新札のコーナーと錯視(静止画が動いて見える)のコーナーは小さいが面白かった.

 そして,やっと企画展示「プランタン=モレトゥス博物館展」がはじまる.プランタン=モレトゥス博物館は,クリストフ・プランタンが16世紀にフランドルのアントワープに開いた印刷所跡に作られた印刷出版関係の博物館だ.

 活版印刷の歴史はグーテンベルクの42行聖書の出版(1455 ドイツ)に遡る.その後,50年間に出版された書物を揺籃本と呼ぶそうだ.この時期に活版印刷はヨーロッパに広く伝わる.

 クリストフ・プランタンは製本を仕事としていたが,左腕(?)を痛め,出版業に転職した.アントワープにオフィシーナ・プランティニアーナという印刷所を設立した.16世紀中頃のことだ.この頃は印刷所が出版社だった.

 オフィシーナ・プランティニアーナはさまざまな書物を出版している.多言語訳聖書は6000頁の大部な書物だ.スペイン帝国がキリスト教世界の統一を目指して戦争をしていた時代であり,アントワープはスペイン領であったことを考えると,この書物の出版により為政者の信をえたのもうなづける.調べてみるとフェリペ2世はネーデルラントで恐怖政治を引いていたようだ.フランドル・ブラバント両州からは1万人以上の商工業者が亡命したらしい.(プランタン自身は人文主義者でエラスムスの著書も出版している.)

 また,1582年にはグレゴリオ13世によりグレゴリオ暦が制定させた.この暦が出版されている.万年カレンダーなのだが,豆本もあった.豆本もそうだが,細かい活字を印刷した書物も多い.

 印刷機のレプリカも展示されていた.活字を鋳造から,印刷までが映像と現物で紹介されている.

 同時代に生きた人々という展示では,ブリューゲル,ルーベンス,メルカトルも紹介されていた.ルーベンス作のプランタンの肖像画もあった.孫のモレトゥスがルーベンスと親交があったらしい.ルーベンスは挿絵も多く手がけている.

 印刷博物館にはVRシアターがあり,「プランタン=モレトゥス博物館」を上映している.この手の映像は退屈するものが多いのだが,これは面白かった.映像も美しい.そのまま「世界ふしぎ発見!」にできそうだ. 

 このあとに,常設展が続く.ロバート・フックの「ミクログラフィア」は顕微鏡をつかって描いた蚤の拡大図で有名だが,この蚤の頁が展示されている.その隣には17世紀の顕微鏡の復元模型があり,蚤を見ることが出来る.

 後半の常設展示はさらっと流したのでぼくは2時間でまわった.常設展示や体験コーナーも満喫すれば3時間以上は楽しめる博物館だ.
(2005 5/2)

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February 26, 2005

大名時計博物館

02_27_0大名時計博物館は谷中にある.前から行きたかったのだが,実際に見学するのは今回が初めてだ.

大名時計博物館は,陶芸家 上口愚朗のコレクションを展示している博物館だ.櫓時計が10数点,ほかに掛時計,枕時計などの江戸時代に製作された大名時計を観ることができる.

ポイントは,江戸時代は不定時法だったという点だ.不定時法とは,夜明けから日暮れまでを6等分,日暮れから夜明けまでを6等分した時刻だ.不定時法では昼と夜で一時(いっとき)の長さが異なる.ヨーロッパでは古くから(11c)定時法(1日=24時間)が用いられてきた.不定時法は明治6年1月1日に終わった.

大名時計は不定時法の「昼と夜の一時の長さが異なる」という問題を解決するためにヨーロッパの時計とは違った技術を生み出した.「割駒式文字盤」と「二挺天秤」だ.

「割駒式文字盤」は文字盤の時刻表示の間隔を調整するという方法だ.この場合,針は24時間で一周する.これは技術的にあまり面白くない.

「二挺天秤」には天秤型のテンプ(バランス)が2つある.昼用と夜用だ.天秤の左右には錘が付くが,中心軸からの距離は可変になっており,調整できる.昼夜の天秤(テンプ)は間欠機構によってガンギ車との噛合いを制御されている.実際の動きを見たわけではないが,機構をみると,日暮れに昼用のテンプが押し上げられ,ガンギ車からはずれ,夜用のテンプが引き下げられて,ガンギ車に噛むようだ.「二挺天秤」では文字盤の時刻表示は均等だが,針の進む速度が昼夜で異なる.(カッコいいぞ!)

歯車は堅木に竹を埋め込み,糸を巻いて漆で固めたものもあるが,鉄のものもある.鉄の歯車も漆で防錆していた.二挺天秤で歯車が鉄製のものは「二挺天秤鉄機械」だ.(カッコいいぞ!!)

大名時計博物館では見学中に時計が鳴ったりして楽しい.また間近に見ることの出来る,動いている大名時計(二挺天秤)もある.
('05 2/25)

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January 02, 2005

博物館に初もうで(東京国立博物館)

01_02_0謹賀新年!
今年もよろしくお願いいたします.

東京国立博物館は新年1月2日から開館.ということで,「博物館に初もうで」に行ってきた.

和太鼓の演奏を聴いてから,本館へ.正面ホール・階段踊り場のいけばなが美しい.新年気分が高まる.

まずは2階の新春特別展示「酉・鳥・とり」. 今年の干支「酉」にちなんで,鶏や鳳凰をモチーフにした作品が特集されている.「松梅郡鶏図屏風」(伊藤若冲)は六曲一双の屏風で,デフォルメされた鶏がかわいい.丸くてやわらかい感じがイイ.「竹鶏図」(羅窓 南宋 13c)は目つきの悪い鶏がかわいい.フキゲンって感じだ.午前4時の鶏らしい.朝は機嫌が悪くてもしかたない. 鶏を意匠とした鍔・小柄・目貫も赤銅魚子地(ななこじ)に金細工の鶏がかわいかった.

国宝室には「白氏詩巻」(藤原行成).寛仁2年(1018),行成が47歳のときの筆跡.白居易の「白氏文集」を書写したもの.昨年の出光美術館の「書の名筆」展で藤原行成の升色紙をみている.升色紙は万葉仮名のちらし書きだったが「白氏詩巻」は漢字の行書だ.隣の部屋(平安~室町コーナー)には,藤原行成の「升色紙」,「大字和漢朗詠集切」があるので比較できる.「升色紙」はカッコイイ.墨の濃淡,文字の大小が遠近法のように奥行きを感じさせる.

1階に下りて,ぐるっと観て回った.やきもので「色絵寿字宝字尽鉢」が気に入った.サントリー美術館でみた「鍋島 寿字宝尽文八角皿」と同じモチーフだ.近代工芸の部屋では鍋島と七宝の作成過程を示す資料が展示されている.

そして,東洋館へ.

中国工芸の部屋では「油滴天目」・「禾目天目(のぎめてんもく)」がカッコイイ.「馬蝗斑」もここにあった.

東洋館の新春特集陳列は「吉祥 -歳寒三友を中心に-」.三友は松・竹・梅.これらを中心に,中国の吉祥図を特集している.美人図扇面が数点あったがよかった.作品ワールドに入り込める.

帰りがけに,新春イベントの「江戸売り声」(宮田章司氏)をきいた.楽しめた.

東京国立博物館は見所満載だ.一日では全部見ることができない.特集展示や興味のある展示を押さえつつ,ぐるっと観て回ったが楽しめました.
(新春特別展示は30日まで.)

ところで,東京国立博物館の門前には次期企画展「唐招提寺展」の看板が立てられていた.これも面白そうなのだが(きっと混雑するのだが),表慶館の特別展「踊るサテュロス」(2/19~3/13)が面白そうだ.1998年にシチリア島沖で漁師の網に掛かったブロンズ像の特別展示だ.「踊るサテュロス」はこのあと愛知万博のイタリア館で展示される.
('05 1/2)

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November 09, 2004

特集陳列「中国書画精華」(東京国立博物館)

東京国立博物館へ行ってきた.11/6は「留学生の日」ということで東博は外国人でにぎわっていた.
11月中は庭園が開放されてるので,ぶらぶらと散歩した.そして東洋館へ.

東洋館の特集陳列は”書跡”であることが多く,モノクロームでマニアックだ.しかし人が少ないので,ゆっくり鑑賞できる.

今回の展示は「中国書画精華」である.毎年,秋におこなわれる所蔵品展だ.中国絵画と中国書画の名品が鑑賞できる.(~11/28)

中国絵画では,「寒山拾得図」がいい感じだ.因陀羅筆(国宝)と伝顔輝筆(重文)の2幅の「寒山拾得図」を見ることができる.ともに元の時代(14世紀)の作品.

「寒山拾得」は漢詩が原典としてあるようだが,ぼくは森鴎外の「寒山拾得」しか知らない.

鴎外の「寒山拾得」は短い話だが,おもしろい.主人公の閭(りょ)が水をかけられる場面は,ハッとさせられるし,最後の場面では,自分も湯気のこもる厨房に取り残され,笑い声を聞いているような気分になる.
(「寒山拾得」は「安部一族・舞姫」(新潮文庫)に収録されてます.教科書にも収録されてました♪)

その笑い声が聞こえてくるような絵だった.

中国絵画は17点が展示されていたが,どれもすばらしいものだった.(「竹虫図」,「高士観眺図」が好き.)

中国書跡はどのように鑑賞するのが正しいのか知らない.とりあえず,一字一字見ている.(自分の名前の漢字を探したりもする.)漢字なので意味のわかるところもある.漢字の形や筆の運びに味わいを感じないでもない.”かな書”よりはわかりやすい,とも感じる.残念なことに後で作品を思い出しても,題名・作者と結びつかないことが多いのだ.

最近はほとんど毛筆で字を書く機会がない.たまに毛筆で記帳するような場面では冷汗かいてしまう.しかし流麗な中国書跡を見ていると筆をとってみたくなるから不思議だ.うまく書けるわけないのだが.
(11/6)

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November 03, 2004

明治大学博物館

4月1日に開館した明治大学博物館にいった.「明治大学図書館古地図コレクション 蘆田文庫特別展」をやっていた.10/2~11/7が日本図編で11/10~12/19が世界図編だ.
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今日観たのは日本図編.江戸・明治の日本地図の変遷を蘆田伊人(あしだこれと 1877~1960)の古地図コレクションで概観できる.

古いものは蝦夷が書かれていないが,江戸中期には蝦夷が掛かれるようになり,列島のプロポーションもよくなってくる.そして江戸後期には伊能忠敬図ができる!江戸期には伊能図は秘図とされたが,明治期には写され刊行されたらしい.

明治大学博物館の常設展もみた.

刑事博物館(法学部)・商品博物館(商学部)・考古博物館(文学部)が合体した博物館だ.

意外と面白かった.

商品コーナーでは,伝統工芸品の制作方法などが説明されている.製作途中品の展示などもありわかりやすい.

刑事コーナーには,ギロチンや鉄の処女(拷問具.左図の絵葉書参照.),貞操帯などが展示されている.マニア垂涎のアイテムだ.

考古コーナーには土偶や銅鐸,石器などが展示されていた.

それぞれに展示も工夫されており,見やすい.

大学が博物館をもち,無料で一般に公開するっていうのがすごくうれしい.特色でてるし.
(11/2)

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November 02, 2004

中国国宝展(東京国立博物館)

東京国立博物館で開催中の中国国宝展に行ってきた.土曜日の午後に見てきたのだが,えらく混んでいた.

10_31_1.JPEGまず,”混んでいた”理由について考えてみたい.

この展示は2部構成になっている.「考古学の新発見」と「仏教美術」だ.平成館入って左側が「考古学の新発見」で右側が「仏教美術」.それぞれ独立した展示である.

見学者の順路は「考古学の新発見」→「仏教美術」となっている.

今回の展示で一番混んでいたのは,「考古学の新発見」の第1室.最初の部屋だ.最近,気づいてきたのだが,”展覧会は最初が混雑する”.

理由を考えてみた.見学者が元気だから,しっかり見学する.解説までしっかり読むのだ.実際,展示の後半では疲れがでる.ぞんざいな見方をする人が多い.(自分も含めてだが・・・)

今回の中国国宝展の最初の部屋がとんでもない状態になっていたのには,他にも理由がある.第1室の中央は低い壁で区切られており,下図のように進む. 

そのため,狭いところを人の列が一列に進まなければならない.これでは列が進まない.

また,「考古学の新発見」には小さい展示品が多く,ひとつの展示品を1~3人でしか見られないというところにも無理があった.

「仏教美術」の部屋には,大きな展示品や柱状ケースでの展示が多く,スムースに見学できた.また,「考古学の新発見」で多くの人は疲れ果てていただろう.

ぼくは「仏教美術」を見学してから「考古学の新発見」を見学した.第1室(新石器時代~戦国時代)は空く気配もないので人の背中越しに見て回った.もっとゆっくり見たかったというのが正直な感想です.

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で,内容はというと,なかなかイイですぞ.

「仏教美術」では中国に仏教が伝わった後漢(2世紀)から北宋(11世紀)までの仏教アイテムが展示されている.古いものは素朴な感じが好きだが,仏像的にかっこいいのは唐の時代だ.唐・北宋になると工芸的にも優れたものが多く見ごたえがあった.

「鉄造弥勒如来倚像」はカッコイイ.立ち上がりそうな雰囲気がある.(なぜこれの絵葉書がない!)

「考古学の新発見」の内容もよかった.兵馬俑の「文官俑」・「兵士頭部」には色が残っている.表情もいい感じだ.(「大兵馬俑展」と比べてみたいところだ.)

「金糸婁玉衣」は前漢(前2世紀)のもの.遺体を覆った玉の衣.今回の目玉の一つだ.カッコイイ!
両目と乳首の部分だけ丸い板でできている.

「天王俑」や「女人俑」もよかった.

時代の流れを意識しながらゆっくりと見学したいところだ.ゆっくり見るには平日か開館直後かなあ.
(10/31)

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October 21, 2004

航空科学博物館

川村記念美術館に行ったあと,航空科学博物館にも行った.(10/2) 成田空港の南側すぐのところに位置する.

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↑YS-11の奥に見えるのが博物館. ↑屋外展示場には飛行機がずらりと並ぶ. ↑入り口にはセスナ!

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↑展望台からは成田空港が見える.    ↑離陸!      ↑そして充実の屋内展示.写真はBELL X-1のコクピット! 初めて音速を超えた飛行機! 映画「ライトスタッフ」を見てください!

すぐに日が暮れてしまった.夕日を浴びるYS-11もいい感じだった.

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September 05, 2004

本館リニューアル(東京国立博物館)

 東京国立博物館の本館(日本ギャラリー)がリニューアルオープンした.今日はするっと回っただけだが,だいぶきれいになったと思う.大きな部屋には椅子が据えられ,マターリ見学できるようになった.印籠などの小物の展示もやっと企画展なみになった.
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 2階の国宝室には「普賢菩薩像」が展示されている.この部屋にも椅子があるが,「普賢菩薩像」は近くで見る絵だと思う.

 1階の企画展示室には「銅鐸の絵画」が特集陳列してある.銅鐸の絵画をまとめて見るのは結構楽しい.銅鐸表面の磨耗した模様は見づらいが,拓本が展示してある.また,懐中電灯をかしてくれるので,照らしてみるといくらか見やすい.サギやカマキリ,トカゲ,カエル,鹿などなど.銅鐸はどのよう作るのか,ボランティアの方に説明してもらった.外側の鋳型は石で作り,内側の鋳型は土で作る.そして外側の鋳型と内側の鋳型の間に銅を流すためのスペーサを挟む.片面に2個ある穴はスペーサの跡だそうだ.銅鐸の絵画は石に彫られたのだ.
doutaku.jpg←こんな感じ.


(9/4)

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August 14, 2004

よみがえる四川文明(東京都美術館)

 近年発掘された遺跡(三星堆遺跡(1986),金沙遺跡(2001),船棺遺跡(2000))の出土品の展示により,パンダの里 四川省に起こった古代文明を味わおうという企画だ.一番古い三星堆遺跡の出土品は二箇所の祭祀坑から発掘された.3000年前のもので,いずれの出土品も破壊され,焼かれていたことから侵略者に埋められたのではないかとも推測されている.その出土品に複数の人頭像がある.司祭かもしれない.みな同じキャラクターである.眼球に稜線があるのが異質だ.このキャラクターの影響は金沙遺跡の出土品にも見られる.ガンダムなみに影響力のあるキャラクターだったのだ.キャラクターの復元にもっと力を入れて欲しかったが,そこは想像にお任せしますっていうのも悪くない.四川文明は巴蜀が秦に滅ぼされるBC4cには滅びるが,黄河文明ともども中国文明の礎であったであろうことは想像に難くない.
想像で着色してみた.3000年前に大人気のキャラクターだ!
photo/r

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August 13, 2004

テレビゲームとデジタル科学展(国立科学博物館)

 見ました.ENIAC!ENIACはElectronic Numerical Integrator And Computor(電子数値積算計算機)の略です.

 ENIACは最初の汎用電子計算機と言われています.1944年にペンシルバニア大で作られました.1万7000本の真空管,17万の抵抗,1万のコンデンサ,数千のスイッチ,数百のダイヤルから構成され,総重量は30トンです.展示されているのは,フリップフロップ10回路を用いたリングカウンタユニット1個です.ENIACにはこのユニットが200個使われていました.1mあまりのユニットに18本の真空管が並びます.基板すらない.60年前はこんなものがコンピュータだったのかと感慨にふけってしまいます.

 展示はお約束のパスカリーヌやデファレンシャル・エンジンからはじまり,ENIAC,ETL(世界初!プログラム内蔵式トランジスタ・コンピュータ 通産省電気試験所),インテル4004,Apple Iと続いていく.コアメモリや1mディスクドライブ,初期のマウスなども味わい深い.が,コンピュータ創世記を味わえるのはここまで.ここからはテレビゲームの歴史をトレースする展示となる.最初の展示はオシロスコープを使ったテニスゲーム 「Tennis for Two」(1958).70年代に入ると記憶とリンクする.テニスやブロック崩しができるテレビゲーム(友達の家にあったなあ.)やインベーダー.そしてファミコン登場.もちろんピピンもある.

 小さい子供向けの企画が多く,実際小さい子供連れが大半だった.そこに混じって,香ばしい大きなお友達が・・・.

 コンピュータおよびテレビゲームずきは見ておいて損のない企画です.
 ENIACやApple Iの絵葉書が買えるなんて・・・ありがたいことです.

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July 05, 2004

ぐるっとパス

「ぐるっとパス」は『対象施設44館(園)の入場券または入場割引券が綴られた,便利でお得なパスです.(チラシから引用)』

ぐるっとパスは2000円で最初の利用日から2ヶ月利用できる.4月に買ってみた.元を取るのは簡単で,たとえば「ブリヂストン美術館(700円)」と「出光美術館(800円)」と,「写真美術館(700円)」か「目黒区美術館(700円)」にいけばいい.しかし,元を取るとらないの計算は,もうどうでもよくなってしまう魔力がぐるっとパスにはある.それは厚み.暑さ9mm.チケットが58枚!なんというお得感.2ヶ月間いろいろまわったが,使ったチケットは29枚.やっと半分でした.上野と皇居周辺・目黒周辺は複数館を1日で回れるのだが,臨海・多摩エリアは1日1~2館がせいぜい.セールスマン巡回問題の趣がある.そして,チケットを使いたいがために普段行かないところにいってみるのが結構面白い.先日記事を書いた「朝倉彫塑館」もぐるっとパスで知った美術館だ.期待せずに「船の科学館」にもいってみたが朝から閉館時間まで楽しめた.「府中市郷土の森博物館」(公園と保存建物がメイン)からはサントリーのビール工場に無料の送迎バスがでている.
6月に半分使ったところで期限が切れたので,2冊目を買った.今回は,なんとなくつまらなさそうで行かなかった「相田みつお美術館」や「江東区芭蕉記念館」にも足を向けてみようかな.

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